桐の特徴・特性
桐の特徴・特性
代々受け継がれる着物の収納から、今使っている洋服まで。
桐タンスが長く使われ続けているのは、材料の桐に秘密があります。
桐の特徴・特性をご紹介します。
軽い
桐材の比重は、国産樹種のなかでももっとも小さいのです。
絶乾比重は(含水率ゼロの時の比重)は0.17~0.37、気乾比重は(含水率15%の比重)は0.19~0.40。
桐のタンスはの軽さは、輸送手段の発達していない時代、持ち運びのために大変重宝されていました。
収縮率が少ない
乾燥した桐材はたいへん収縮率が少なく、引出しをピッタリ隙間なくつくることができます。
このため桐のタンスの内部は外気を遮断し、収納したものが、外の温度や湿度の変化に対して影響を受けにくくなっているのです。
熱伝導率が低い
完全に乾燥してしまうと桐の細胞の内部は乾いた空気に満たされるため、熱が伝わりにくくなります。
そのため昔から火鉢に使用されていました。また、タンスが火災に強いとよく言われますが、
その根拠として熱伝導率の低いこと、また熱を受けても割れにくいことがあげられています。
恒湿作用が高い
外気を遮断した引き出しの内部には、木材固有の恒湿作用が働き、内部の湿度が一定に保たれます。これは木材が湿度変化に対応し、湿気を吸放出することで、湿度の高低を緩和する能力です。
この恒湿作用は、軟らかくて比重の軽い木材ほど高いことが証明されています。
また、保存科学によれば、物質の保存には湿度が一定に保たれることが必要であると言われています。
虫がつきにくい
桐の場合、乾燥した桐材には虫が付きにくいと言われています。
桐の抽出成分の中には昆虫を寄せ付けない成分(パウロニン、セサミン等)が多量に含まれていることがわかっています。
さらに、設計に狂いが少なく、引出しを隙間なくつくるため、中に虫が入りにくいということも、
虫がつきにくい理由に上げられます。
腐食に強い
軽くて軟らかい桐材は、腐りやすいと考えられがちですが、実は極めて腐りにくい木材です。
桐材には防腐成分のタンニンが多く含まれています。このタンニンによって桐タンスは長い腐ることなく使うことができるのです。
音響性に優れる
桐材は多恒湿で粘りが強いため、たいへん音響性に優れています。
古代より琴等の楽器に使用されてきました。
環境に優しい
桐の木は植えてから、だいたい15年から20年で、素材として使えるまでに育ちます。
杉が育つまでに必要な年数は約80年、松は約40年です。
桐ならその四分の一から半分の歳月で木材として使えるようになるのです。
桐を活用すれば、回復に時間のかかる樹木を伐採する必要がなくなります。
桐製品を買うことで、緑を守ることにもつながります。